◆【手話通訳vol.24】イントラリンガル
手話通訳のトレーニングとして、大きく「表現技術」、「翻訳技術」、「実践技術」のトレーニングに分けられている。
「翻訳技術」のトレーニングの中に、「イントラリンガルトレーニング」という舌をかみそうなトレーニング方法がある。
これは、「同一言語内で言い換えをする」トレーニング方法だ。
通訳をする場合、他の言語に置き換える前に、同じ言語(日本語なら日本語、手話なら手話)で、等価性を持たせながら、色々な言い方に変えられる技術を持っていなければならない。豊かな語彙の中から選択できるもともとのベースの部分だ。
これまでは講習会で、厚労省のカリキュラムをもとに対象を意識して、見た文章、または聞いた文章を、小学生(高学年)に伝わるようにとか、高齢者に理解できるように言い換えるといった方法でやってきた。
通訳者になるためのトレーニングとしてはとても大切な方法ではあるが、現任通訳者としてのトレーニングとしては少し足りないのではないかと感じた。
手話→手話のイントラリンガルトレーニングというのも教材が不足しているし、やり方が難しい。もう少し研修のやり方の議論が必要だ。
日本語→日本語のイントラリンガルも、現場での通訳と同じように「時間の拘束」を意識しながら、話し手や聞き手、対象や、内容や場面を想定したり、手話と日本語の言語的な特徴を意識しながらのイントラが必要な気がする。
単語でいえば、一般的な単語から単語に、外来語から日本語的な言い方に、単語から意味説明的に、意味説明的なものから単語に、上位語から下位語に、下位語から上位語になどなど。
文でいえば、語用論や、主語を変えての言い換えや、位相語や方言なども必要かもしれない。
試行錯誤しながらもやり方をあれこれ考えている。
上位語を下位語に変えるという日本語でのイントラ。
新しい手話などがなく、その単語を漢字やあてはめた手話で現して通じる場合もあるが、通じない場合もあるようなもので、具体的な下位語で表現するようなことがある。
たとえば「家具」とか。
「家/グ(指文字)」と表現して通じないこともないけど、通じなかった場合は、「タンス、椅子、机など」ということで「家具」の訳出をしたり。
「調味料」の訳出として、「塩、砂糖、醤油など」と訳出したり。
そんなことをやっていて、この前も面白いことがあった。
同じように「武器」っていうのも「銃」だけではないし、「砲弾」だけではないし、「武器」と等価性を持たせる訳出が難しい。
そんな「武器」という単語を日本語→日本語(上位語→下位語)にイントラリンガルするようなトレーニングをした。
タイムリミットを設けながら、少し緊張感を持ちつつ・・・。
自分「武器を上位語→下位語にイントラしてみてください。」
Aさん「(やや焦り気味に、考える)」
Aさん「刀、シュリケン、やり」
Aさん「(ホッとした表情)」
自分「・・・」
いつの時代???「戦国時代」の武器が3つ並んで、みんなで大笑い。
言葉の幅が広がるって面白いですよね。
手話通訳者としてもっと言葉を磨かないといけないですね。
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コメント
・日本の手話通訳技術向上のための訓練に、何故、カタ カナ名称の訓練法を使わなければならないのでしょう ね?
手話通訳者は、言語の翻訳を「生業」とする職業では ありませんか? 何故、適当な日本語に翻訳して使わ ないのでしょうね? しかも、一部の方は、「イント ラリンガル」を、「イントラ」と略し独立後した単語 として使用している有様に、唖然、何おかいわんや! 「イントラ」は接頭語であって、独立して使用される ことはありませんよ!
日本手話は、聾文化の最も大切なもの、手話通訳者、 手話通訳者を志す人が、聾文化を破壊することに繋が る行為・行動を取らないよう、言語、特に外来語・外 国語が関係する場合には慎重であって 欲しいもので すね。
・最近、聴者の話を通訳する際、聴者と聾者:2名の手 話通訳を使う傾向が、米国だけでなく、日本でも見 られるようになって来ましたね。
投稿: ジイチャン | 2011年2月22日 (火) 16時05分